会社名の表記ゆれを統一する方法|正規化のルールと例

会社名の表記ゆれを統一するには、「どの表記にそろえるか」のルールを先に決め、そのルールで元の会社名とは別に「比較用の会社名」を作るのが基本です。元の会社名を書き換えてしまうと、間違えたときに戻せません。

この記事では、会社名でよくある表記ゆれと、統一のルールの決め方、ExcelとPythonでのやり方を説明します。統一した後の名寄せの手順は名寄せの方法、ツールの比較は名寄せツールの比較にまとめています。

会社名でよくある表記ゆれ

種類例
全角と半角ABC商事/ABC商事
半角カタカナサンプル/サンプル
大文字と小文字abc商事/ABC商事
スペースサンプル 商事/サンプル商事/サンプル 商事(全角スペース)
記号サンプル・ホールディングス/サンプルホールディングス
法人の種類の略し方株式会社/(株)/(株)/㈱/カ)(銀行振込のカナ表記)
長音やハイフンサンプル―/サンプル-/サンプルー
旧字体・異体字髙橋/高橋、﨑/崎

統一のルールの決め方

おすすめのルールは次の順番です。

  1. 文字の幅をそろえる: 英数字と記号は半角、カタカナは全角にそろえる
  2. 英字の大小をそろえる: 大文字か小文字のどちらかに決める
  3. スペースを消す: 全角・半角とも、比較用の列では消す
  4. 法人の種類の書き方をそろえる: (株)、㈱などを「株式会社」に置き換える
  5. 記号の扱いを決める: 中黒やハイフンを消すか、1種類にそろえる

消してはいけないもの

法人の種類の位置(前株か後株か)は消さないのがおすすめです。「株式会社サンプル」と「サンプル株式会社」は、別の会社として存在することがあります。比較用の列で法人の種類を消して比べる場合でも、判定のときには元の表記や住所で見分けます。

旧字体・異体字は、名寄せのためにそろえると別の会社を寄せてしまうこともあるので、自動ではそろえず、候補として人が確認する方が安全です。

Excelで統一する

Excelでは、ASC(半角にする)、TRIM(前後のスペースを取る)、SUBSTITUTE(置き換える)、UPPER(大文字にする)を組み合わせます。

=UPPER(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(ASC(TRIM(A2))," ",""),"(株)","株式会社"),"㈱","株式会社"))

ASC はカタカナも半角にします。比較用の列なので問題はありませんが、見た目を整えたい場合は JIS 関数で全角に戻します。Excelでの名寄せの手順はExcelで名寄せする方法で詳しく説明しています。

Pythonで統一する

Pythonでは、標準ライブラリの unicodedata.normalize に NFKC を指定すると、全角英数字や半角カタカナ、㈱のような記号を一度にそろえられます。

import re
import unicodedata

LEGAL_FORMS = {
    "(株)": "株式会社",
    "(有)": "有限会社",
    "(同)": "合同会社",
}


def normalize_company_name(name: str) -> str:
    # 全角英数字・半角カタカナ・㈱などをそろえる
    text = unicodedata.normalize("NFKC", name)
    # スペースを消す
    text = re.sub(r"\s+", "", text)
    # 略した法人の種類を正式な書き方にする
    for short, full in LEGAL_FORMS.items():
        text = text.replace(short, full)
    # 中黒・ハイフン類を消す
    text = re.sub(r"[・\-‐-―ー]", "", text)
    return text.upper()


print(normalize_company_name("サンプル・ホールディングス㈱"))

NFKC を使うと「㈱」は「(株)」になるので、そのあとで「株式会社」に置き換えています。長音の「ー」まで消しているのは、比較用の列でゆれを減らすためです。表示に使う会社名には使わないでください。

統一しすぎると起きる問題

表記をそろえるほど、同じ会社は見つけやすくなりますが、別の会社を同じとみなす間違いも増えます。

やりすぎの例起きること
法人の種類を全部消す「サンプル株式会社」と「サンプル合同会社」が同じになる
「ホールディングス」「グループ」を消す持株会社と事業会社が同じになる
地名を消す「サンプル東京」と「サンプル大阪」が同じになる

統一は「候補を見つけるため」と割り切り、最終的には住所や法人番号で同じ会社かを判定するのが安全です(法人番号で名寄せする方法)。

まとめ

会社名の表記ゆれは、文字の幅、英字の大小、スペース、法人の種類の書き方、記号の順にルールを決めてそろえます。元の会社名は残し、比較用の列で統一するのが基本です。統一しすぎると別の会社を寄せてしまうので、最後は法人番号などで確かめましょう。

この記事を書いた人

Bango API の開発者です。国税庁の法人番号Web-APIとインボイスWeb-APIを使ったシステムを実装してきた経験をもとに書いています。

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