Excelで名寄せする方法|会社名の重複を関数で見つける

Excelで会社名を名寄せするときは、元の会社名はそのままにして、表記ゆれをそろえた「比較用の列」を作り、その列で重複を探すのが基本です。数百件までなら、関数だけで十分に進められます。
この記事では、Excelの関数を使った名寄せの手順を説明します。件数が多い場合や、続けて名寄せしたい場合の方法は名寄せツールの比較にまとめています。
準備:元のデータを残す
まず、元のシートをコピーして作業用のシートを作ります。名寄せでは間違いが起きることがあるので、元のデータには手を加えません。
作業用のシートには、次の列を用意します。
| 列 | 内容 |
|---|---|
| A | 元の会社名 |
| B | 住所(あれば) |
| C | 比較用の会社名(関数で作る) |
| D | 重複の件数(関数で数える) |
| E | まとめ先のID(判定して入れる) |
手順1:表記ゆれをそろえる比較用の列を作る
C列に、表記ゆれをそろえた会社名を関数で作ります。
| 関数 | していること |
|---|---|
ASC | 全角の英数字・記号・カタカナを半角にそろえる |
TRIM | 前後の余分なスペースを取る |
SUBSTITUTE | 特定の文字を置き換える(スペースを消す、(株)を株式会社にするなど) |
UPPER | 英字を大文字にそろえる |
たとえば次の式で、全角と半角、スペース、略した法人の種類をそろえられます。
=UPPER(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(ASC(TRIM(A2))," ",""),"(株)","株式会社"),"(有)","有限会社"))ASC を先にかけているので、全角の「(株)」も半角の「(株)」になってから置き換えられます。ASC はカタカナも半角にしますが、C列は比べるためだけの列なので問題ありません。
「㈱」のような1文字の記号は ASC では変わらないので、SUBSTITUTE(…,"㈱","株式会社") を追加します。そろえるルールの考え方は会社名の表記ゆれを統一する方法で詳しく説明しています。
手順2:COUNTIFで重複を見つける
D列で、同じ比較用の会社名がいくつあるかを数えます。
=COUNTIF($C$2:$C$1000,C2)2以上になった行が、重複の候補です。C列で並べ替えると、候補が隣に並んで確認しやすくなります。条件付き書式で2以上の行に色を付けるのもおすすめです。
手順3:同じ会社かを確かめて、まとめ先を決める
比較用の会社名が同じでも、別の会社のことがあります。
- 住所(B列)が同じか、近いかを確認する
- 「株式会社サンプル」と「サンプル株式会社」は別の会社のことがあるので、法人の種類の位置まで消さない
- 迷ったものはまとめない
同じ会社と判断したら、E列にまとめ先のID(残す行の番号や取引先コード)を入れます。
法人番号を使うと確実に寄せられる
名前と住所だけでは、同じ名前の別の会社や、社名変更前の名前を見分けきれません。取引先に法人番号の列を追加して、法人番号で重複を数えると確実です。
=COUNTIF($F$2:$F$1000,F2)法人番号は、国税庁の法人番号公表サイトで会社名から調べられます。ただし、1社ずつ調べる必要があるので、件数が多いと時間がかかります。まとめて法人番号を付ける方法は法人番号で名寄せする方法で解説しています。
Excelでの名寄せの限界
| 限界 | 起きること |
|---|---|
| 似ている名前を見つけにくい | 1文字違い、旧社名、略称は関数では拾えない |
| 件数が増えると重い | 数万件でCOUNTIFを使うと計算に時間がかかる |
| 続けにくい | 新しい取引先が増えるたびに作業をやり直す |
| 判定が人に頼る | 担当者によって判断がぶれる |
数千件を超える、毎月のように取引先が増える、といった場合は、法人番号へのひも付けを自動で行うツールやAPIを使う方が楽です。方法ごとの比較は名寄せツールの比較を見てください。
まとめ
Excelで名寄せするときは、元のデータを残したまま比較用の列を作り、ASC・TRIM・SUBSTITUTEで表記をそろえて、COUNTIFで重複を探します。最終的な判定には住所や法人番号を使い、迷ったものはまとめないことが大切です。





